クボタと住友建機 建設機械の相互供給の検討を開始

日本レポート
Akihiro Komuro
小室 明大

クボタと住友建機は10月31日、建設機械の相互供給に関する具体的な検討を開始したと発表した。

世界各国では、人口増加に伴う住宅需要の拡大、インフラ投資や都市開発に伴う工事の増加が見込まれていることに加え、建設工事における人手不足が深刻化していることから、効率化や省人化に向けて、建設機械の旺盛な需要が見込まれている。

クボタは市街地の建設工事などに使用される小型の建設機械、住友建機は幅広い土木工事や林業などにも使用される中・大型の建設機械に特化し、製品の開発・生産・販売を行っている。両社ともそれぞれの製品における、省燃費・高い操作性などを実現するための技術開発力やICTを活用したソリューションに強みがある。その一方で、工事現場では多様なサイズの建設機械が求められているが、現状の製品ラインアップでは顧客のニーズに応えていないという問題を両社が抱えており、製品ラインアップの拡充が重要な経営課題の一つとなっている。

クボタは、市街地の工事現場で使用されることの多く、海外での顧客のニーズが高い、14t油圧ショベルを住友建機から供給を受けることを検討する。住友建機は、海外向けにクボタの小型機種の供給を受けることを検討する。

参考: クボタニュースリリース

PSR 分析: お互いの商品ラインアップを補完し、不足している要素を補うための2社間の協業は他のセグメントでも徐々に見る機会が増えている。ニュースリリースでも説明されている通り、クボタと住友建機はそれぞれ異なる製品を持っており、ターゲット顧客も異なるために、製品が競合しないという状況は協業する上で好ましい。正式な協業契約の締結には価格の折り合いがつくかどうかが最大の焦点になるだろうが、筆者はこの検討は成立する可能性が極めて高いと見ている。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト

ホンダ、半導体不足で車の機能絞る SUV納車1年→半年へ

極東 > 日本レポート
Akihiro Komuro
小室 明大

ホンダは新型車の一部で死角に入った車両を検知しドライバーに警告する機能をなくして販売する。この機能に必要な専用の半導体は不足が続いている。受注から納車まで1年程度かかる状況を解消し、半年程度で納車できるように機能を絞って販売する。

SUVの新型車「ZR-V」で、走行中の死角になりやすい斜め後方の車両を検知してドアミラーに表示することでドライバーに注意を促す「ブラインドスポットインフォメーション(BSI)」をなくした仕様で販売を始めた。必要な車載半導体の調達が間に合っておらず、納車までの期間が長期化する見通しとなったため、このBSI機能を搭載せず販売することを決めた。店舗やモデルで異なるが、受注から納車まで1年程度だった期間が半年程度と半分程度に短縮できるという。

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COVID-19デルタ型猛威で供給網寸断 日本生産に波及も

Akihiro Komuro
小室 明大

新型コロナウイルスのデルタ株が急拡大する東南アジアで、企業活動の停滞が広がっている。各国政府の規制や感染者急増を受けて、トヨタ自動車やパナソニックなど日系大手が一部工場で生産を停止した。現地での販売減少だけでなく、サプライチェーン(供給網)の寸断で日本での生産にも影響が出ている。「タイの感染拡大は予想より深刻だ。自動車産業は猛烈な影響を受けている」。

トヨタの山下典昭タイ法人社長は厳しい見方を示す。同社は7月20日以降にタイにある全3工場を順次停止した。取引先の工場で集団感染が起こり、部品を調達できなくなったためで、再開時期は未定だ。ホンダもタイの1工場を8月3~5日に停止した。

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