ライドシェア大手のゴジェックが全ての二輪のEV化を発表

インドネシアレポート

インドネシア配車大手のゴジェックは2030年までに全ての二輪車をEVに切り替える。年間販売が500万台を超え、東南アジア最大の二輪車市場であるインドネシアでは今、EVバイクの普及が本格化しつつある。

同国の配車大手、ゴジェックは30年までに全ての二輪車をEVバイクとする計画を掲げる。ゴジェックはバイクや自動車を含めて200万人を超える運転手が登録しているとされ、EVバイクの全量切り替えはインドネシア政府が30年までに900万台のEVバイクを普及させる目標に大きく貢献する見込みだ。

ゴジェックはEVバイクの調達を広げている。「バイクのテスラ」とされるゴゴロと戦略提携を結んだほか、自ら出資してEVバイクメーカーのエレクトラムを立ち上げた。6月下旬、西ジャワ州で新工場の建設を始め、まずは年産25万台とする見込みだ。

出典: 日経

PSR 分析: インドネシアをはじめ、タイやインドネシアにおける二輪市場は非常に大きい。ライドシェアにおいては北米などではUberなどの四輪が主流だが、こと東南アジアにおいては圧倒的に二輪が主流である。圧倒的ともいえる膨大な数の二輪が市中をくまなく走っている。アプリで配車をリクエストしてから実際に到着するまでは3分もかからない。

すでに何度もここで指摘している通り、東南アジアの二輪市場では日系メーカーが優位である。だがこうした電動化の波に対してホンダやヤマハは廉価で現地で支持される価格帯のEVバイクを未だにリリースしていない。電動モデルはすでに発売しているが、高額であったり、リース契約が前提であったり、社会実験を繰り返したりしている。だが市場がこうした大きな変革期にあって従来の日本式の取り組み方では、適切なタイミングを逃すのではないかと筆者は考えている。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト

フォックスコン、ベトナムEV部品生産に2.46億ドル投資へ

ベトナムレポート

台湾の電子製品受託生産大手フォックスコンはベトナム北部クアンニン省の2つの新規プロジェクトに2億4600万ドルを投資する計画について、当局から承認を得た。プロジェクトは子会社のフォックスコン・シンガポールによるもので、通信機器とEV部品の製造・組み立てが中心となる。フォックスコンによるベトナムへの総投資額は約30億ドルに拡大する。新規投資額のうち、EV充電器と部品を生産する工場に2億ドルを投じる。2025年1月から生産開始予定で、従業員は1200人の見込み。

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ビングループ、4月にEVタクシー参入へ新会社設立

東南アジア > ベトナムレポート
Akihiro Komuro
小室 明大

ビングループは4月に同国でEVを使ったタクシー事業に乗り出す。創業者会長が95%を出資し、新会社を設立した。まずは首都のハノイでサービスを始め年内に全国に広げる計画。自社製品の認知度向上にもつなげる。新会社GSMグリーン・アンド・スマートモビリティーの資本金は3兆ドン(約170億円)。EVを使ったタクシーのほか、EVや電動バイクを他のタクシー会社などに貸し出す事業を展開する。GSMではEV1万台と電動バイク10万台を使用する予定だ。

出典: 日経

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現代自がベトナムで新工場稼働 2025年に年18万台

極東 > 韓国レポート
Akihiro Komuro
小室 明大

韓国の現代自動車とベトナムの複合企業タインコン・グループの合弁企業はベトナム北部のニンビン省で自動車工場を稼働した。年産能力は10万台で、既存工場と合わせた年産能力は2025年までに18万台になる。国内だけでなく近隣国にも輸出する。合弁会社、現代タインコンが運営する新工場の投資額は3兆2000億ドン(約180億円)。工場の敷地面積は約50ヘクタールで走行試験用のテストコースも併設した。

現代自動車は2009年にベトナム市場に進出した。2021年の現代自動車のベトナム国内での新車販売台数は約7万台でトヨタ自動車を上回り、ブランド別で国内最大になったとみられている。

出典: 日経

PSR 分析: ベトナムでの韓国製品の存在感は高い。自動車はもちろん、家電製品などでも韓国ブランドを容易に目にすることができる。このニュースは現地での韓国製自動車の浸透を顕著に示している。韓国メーカーがベトナムでシェアを伸ばしている背景には、日本車に比べて価格が安い点があるが、現地のニーズにあわせたカスタマイズ戦略が奏功していることもある。現代や起亜の現地モデルについて、市場関係者は「同等クラスで比較した場合、各種オプションを備えたカスタマイズ車種を安く販売している点で日本車よりも優位」と分析した。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト

ビンファスト、ガソリン車2種受注終了 EVシフト着々

東南アジア > ベトナムレポート:
Akihiro Komuro
小室 明大

ベトナムの複合企業最大手ビングループの自動車子会社、ビンファストは7月初旬にガソリン車2種の受注を終了したことを明らかにした。対象はSUVとセダンで、同社が販売するガソリン車は小型車のFadilのみになる。同社は年内にガソリン車の生産から撤退する方針を打ち出しており、EV生産へのシフトを急ぐ。

ビンファストは2車種の受注停止の理由について「部品の調達が困難になり、顧客に納入した台数が予想より多くなかったため」としている。ファディルの受注停止の時期には言及していない。同社は2021年12月にベトナム国内でEVの販売を始めた。現在は小型SUVのみだが、22年内に大型SUV2車種を加える予定だ。欧米市場でも1月からEVの受注を開始しており、米国東部のノースカロライナ州ではEVの新工場を2024年に稼働させる方針で準備を進めている。ビンファストが発表した1~6月の自動車の新車販売台数は1万4695台。このうち、EVは2141台だった。

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ベトナム電動二輪のDat Bike、東南アジアへ

東南アジア > ベトナムレポート

ベトナムの電動バイクメーカーDat Bikeが530万ドル(約6億9000万円)を調達したと発表した。これにより、2019年に創業したDat Bikeの調達総額は1000万ドルになった。今回調達した資金は技術への投資や増産、ベトナム北部、中部、南部の主要都市への事業拡大、優秀な人材の採用に振り向ける。

Dat Bikeはまずはベトナム国内で、近い将来には東南アジアで、環境に配慮した移動手段の普及を目指すテックスタートアップだ。同社の強みはガソリンエンジンのバイクと比較した場合の電動バイクの性能の良さにある。速度制御装置やバッテリーなどの主要部品を社内で設計、製造する垂直統合によってこれを実現している。現在は2つの製品を販売している。

2019年に発売した「Weaver」は出力が5kWと同価格帯の大半の電動バイクの約3倍、航続距離が100キロメートルと約2倍に上るという。

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