ベトナムレポート
台湾の電子製品受託生産大手フォックスコンはベトナム北部クアンニン省の2つの新規プロジェクトに2億4600万ドルを投資する計画について、当局から承認を得た。プロジェクトは子会社のフォックスコン・シンガポールによるもので、通信機器とEV部品の製造・組み立てが中心となる。フォックスコンによるベトナムへの総投資額は約30億ドルに拡大する。新規投資額のうち、EV充電器と部品を生産する工場に2億ドルを投じる。2025年1月から生産開始予定で、従業員は1200人の見込み。
出典: ロイタージャパン
PSR 分析: 多国籍企業が中国からサプライチェーンを分散させる中、コスト、立地、オープンで安全な投資環境といった利点からベトナムが選ばれている。2010年代初頭からこのトレンドは始まっていたが、中国の厳しいゼロコロナ政策、賃金の上昇、欧米諸国との政治的対立などの理由から、最近さらに加速しています。その結果、現在タイ、インドネシア、ベトナム、インドなどのアジア諸国は、激しいFDI獲得競争を繰り広げている。この競争において他国に対してベトナムには優位性がある。ベトナムの操業コストは他のアジア諸国に比べて相対的に低く、ミャンマーやカンボジアよりも優れていること。その立地から中国と主要な海上貿易ルートへのアクセスが容易であること。ASEAN諸国の中でも政情が安定しており、貿易協定の締結数が多いことが挙げられる。上記のフォックスコン以外にも、サムスンやLG、インテルなどもすでに現地に進出しており、今後ベトナムが東南アジアにおける製造業の中心地になる可能性が注目されている。懸念点としては安定的な電力供給だろう。世界的な気温上昇はベトナムにおいても同様であり。電力需要の急増に伴う電力不足は現地の製造工場への影響がある。PSR
※この情報はベトナム在住の我々の友人 John Tranから寄せられました。彼の献身的な協力に感謝します。
小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト