日本レポート
ホンダはHonda eの生産を2024年1月までに終了する。同社にとって量産型では初となるEVだが、年間1,000台の国内販売目標を下回り、売れ行きが低迷していた。今後は2024年春に発売する商用の軽EVなどに注力し、販売車両の電動化比率を高める。
Honda eは2020年に発売した。現在販売中の車両価格は495万円で、航続距離は259キロメートル(WLTCモード)。すでに欧州での販売を終了している。国内でも在庫がなくなり次第、販売を終了するという。
Honda eはもともと台数を稼ぐモデルではなかったが、販売目標を達成できなかった。今後は来年以降に発売する軽EV、N-VAN e:などを皮切りに、車種を拡充していく。
参考: 日経
PSR 分析: Honda eは高級な価格帯ではなく、日本の道路状況に適したコンパクトなボディサイズであり、近未来的なデザインで、日本におけるホンダのEV普及のファーストステージとしては正しいアプローチだった。そうした旗艦モデルの販売終了は、日本でのEVの普及の難しさを現わしている。
2023年上半期のEV(普通乗用車)の販売台数は22,857台となっており、販売台数に対して約1.67%を占めている。さらに、軽EVの販売は上半期で25,807台に上っている。そのため、軽EVを含めると、EVの合計販売台数は48,664台、全販売台数(普通乗用車・軽自動車)に対するEVの割合は2.38%である(ちなみに、PHEVは25,163台で1.23%)。
もちろん、ホンダだけではなく、トヨタ、日産など、多くの日本メーカーがEVを販売しているが、日本におけるEVの普及には解決すべき課題は多い。消費者のマインドとしては、既存のエンジンモデルからの乗り換えのハードルが高い。メーカーや国はV2Xや対環境性能を啓もうしているが、まだ本格普及には時間がかかると思われる。PSR
小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト